エウジェニア・S・P・リコッティ著『古代ローマの饗宴』武谷訳が講談社の電子書籍になりました

エウジェニア・サルツァ・プリーナ・リコッティ著、武谷なおみ訳『古代ローマの饗宴』が、電子書籍になりました。1991年に平凡社から出版され、翌年ピーコ・デッラ・ミランドラ翻訳賞(イタリア文化会館)を受賞したこの本は、2011年に講談社学術文庫に組み込まれました。そしてこの度、キンドル版として再登場です。

武谷ホームページの「フォトエッセイ」でも、歴史書として、文学書として、料理書としてユニークなこの本を、多くの写真で紹介しています。合わせてお楽しみください。

著者は5年前に他界されましたが、2020年のいま『古代ローマの饗宴』で「古代ローマの盛衰」を跡づけるのは意味のあることと思われます。質素な生の食材が尊ばれた時代から、過剰なおもてなしの時代へと移行するにつれ、永遠の都ローマに影がさした。30年まえ翻訳したときには気づきもしなかった歴史上の事実です。



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詩人の小池昌代さんが、G・ヴェルガ作「ルーパ」について、心にしみる文を寄せられました

10月11日(日)
「日本経済新聞」の読書欄で「半歩遅れの読書術」というコラムを担当しておられる詩人の小池昌代さんが、拙訳書『短篇で読むシチリア』(みすず書房)に収録したシチリア作家ジョヴァンニ・ヴェルガ作「ルーパ」について、心にしみる文を寄せられました。
「シチリアの女性に陶然 〈恋物語〉を超えた恋」という見出しがついています。

『ランペドゥーザ全小説』が出版されました

出版社: 作品社
ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーザ (著)
脇 功 、武谷 なおみ (共同翻訳)

(内容)
戦後イタリア文学にセンセーションを巻きおこしたシチリアの貴族作家、初の集大成!ストレーガ賞受賞長編『山猫』、傑作短編「セイレーン」、回想録「幼年時代の想い出」等に加え、著者が敬愛するスタンダールヘのオマージュを収録。

(著者について)
ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーザ(Giuseppe Tomasi di Lampedusa)1896-1957。
シチリア島パレルモで、両シチリア王国の副王を務めたこともある由緒ある貴族の名家に生まれる。
ダンテ、プルースト、スタンダールなどの文学に親しみ、1915年に法律学を学ぶためローマ大学に進むも同年、第一次世界大戦に応召。
オーストリア軍の捕虜となるが収容所を脱走し帰国。ラトビアのリガでアレッサンドラ・ウォルフ・シュトメルゼーと結婚。
1932年、父親の逝去に伴い、その地位を継ぐ。1946年には母親が他界。1953年からは年少の友人らを相手にイギリス文学、フランス文学の講義を行なう。1955年から56年にかけて傑作『山猫』を一気に書き上げるも著者の生前には出版社が見つからず、死後の58年に刊行され世界的なベストセラーとなった。


『ランペドゥーザ全小説』へのリンク

曽野綾子さんが『古代ローマの饗宴』についてふれられました

10月12日
産経新聞で『透明な歳月の光』というコラムを連載しておられる作家の曽野綾子さんが『古代ローマの饗宴』についてふれられました。

「最近読んで非常におもしろかった『古代ローマの饗宴』(エウジェニア・S・P・リコッティ著)を航空便で送った」と記された本の宛先は、カリフォルニア大学に留学中のお孫さん。彼からは「日本の本にかなり飢えていたので、ばりばり読んでいます」という返事がとどいたそうです。

翻訳時の苦労が癒え、訳者冥利につきる発見でした。

『古代ローマの饗宴』が20年ぶりに文庫になりました

出版社: 講談社
エウジェニア・サルツァ プリーナ リコッティ (著)
武谷 なおみ (翻訳)

(内容説明)
永遠なる美食の大帝国で、人々は何をどう食べ、飲んでいたのか?
監察官カトー、武将アントニウス、詩人ホラティウス、『料理書』のアピキウス、解放奴隷、農夫、、、、、。当時のレシピも併録。

キャベツ礼賛者カトー、最高の饗宴を催した解放奴隷トリマルキオ、「真似のできない暮し」をしたクレオパトラ、葡萄酒を愛した詩人ホラティウス、消化不良のキケロ、、、、、。養殖の海魚、肥えたヤマネ、乳育のカタツムリなど贅を極めた晩餐から、農夫の質実剛健な食卓まで、二千年前、大繁栄を謳歌した帝国の食文化とは。当時の食材やレシピも多数併録しています。


『古代ローマの饗宴』へのリンク

『短篇で読むシチリア』が出版されました

出版社: みすず書房
武谷 なおみ (編集, 翻訳)

(内容)
地中海最大の島シチリア。ここは世界遺産を五つも有する地。
ギリシア、カルタゴ、ローマ、スペイン、、、、、積み重なる支配の歴史は独特の文化をかたちづくった。

本書は19世紀から20世紀にかけてのシチリア作家の短篇集。
デ・ロベルト、ヴェルガ、ピランデッロ、ブランカーティ、ヴィットリーニ、
ランペドゥーザ、シャーシャなどのシチリア作家の短編集を集めました。


『短篇で読むシチリア』へのリンク

「サンクト・ペテルブルクのヴォルテール文庫」を翻訳しました

2007年3月、4月
イタリアの日刊紙「コリエーレ・デッラ・セーラ」の記者アルマンド・トルノが発表した「サンクト・ペテルブルクのヴォルテール文庫」を翻訳しました。

1778年5月30日、思想家ヴォルテールが83歳の生涯を閉じたとき、6000冊を超える彼の蔵書を是が非でも欲しがったのはロシアの女帝エカテリーナ2世である。フランスからロシアへ。冒険物語のように刺激的な本の輸送がヨーロッパ史の一角を照らし出す。

– 地中海学会「月報」298号と299号に訳文を掲載する許可を与えてくださったトルノ氏に深謝。