『カルメンの白いスカーフ』について

出版社: 白水社
武谷 なおみ (著)

(内容)
20世紀オペラ界で、メゾソプラノという地味な声域でありながら長くスカラ座の女王として君臨したのが、本書の主人公ジュリエッタ・シミオナートである。
イタリア歌劇団のプリマドンナとして初来日した1956年、彼女を聴いた文豪谷崎潤一郎は「あれが人間の声か!」と感嘆したという。著者がテレビを通じてそのシミオナートの声に初めて接したのはそれから3年後、まだ小学生のとき。
歌声に魅せられファンレターを出した著者と歌姫との間に長い文通が続き、著者がローマに留学したときから、シミオナートは著者の「イタリアのマンマ」となり生活の細部にいたるまで面倒を見るに至る。それから30年、90を越えて今も矍鑠たるシミオナートは、歌の指導やオペラ界の行事に活躍する。また強い意志と鋭い知性を兼ね備えた彼女は20世紀イタリア文化の生き証人でもある。

この「生きた文化財」を「保存」しようと彼女からさまざまな証言を引き出した、ノンフィクション作品。


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