エウジェニア・S・P・リコッティ著『古代ローマの饗宴』武谷訳が講談社の電子書籍になりました

エウジェニア・サルツァ・プリーナ・リコッティ著、武谷なおみ訳『古代ローマの饗宴』が、電子書籍になりました。1991年に平凡社から出版され、翌年ピーコ・デッラ・ミランドラ翻訳賞(イタリア文化会館)を受賞したこの本は、2011年に講談社学術文庫に組み込まれました。そしてこの度、キンドル版として再登場です。

武谷ホームページの「フォトエッセイ」でも、歴史書として、文学書として、料理書としてユニークなこの本を、多くの写真で紹介しています。合わせてお楽しみください。

著者は5年前に他界されましたが、2020年のいま『古代ローマの饗宴』で「古代ローマの盛衰」を跡づけるのは意味のあることと思われます。質素な生の食材が尊ばれた時代から、過剰なおもてなしの時代へと移行するにつれ、永遠の都ローマに影がさした。30年まえ翻訳したときには気づきもしなかった歴史上の事実です。



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『カルメンの白いスカーフ』について

出版社: 白水社
武谷 なおみ (著)

(内容)
20世紀オペラ界で、メゾソプラノという地味な声域でありながら長くスカラ座の女王として君臨したのが、本書の主人公ジュリエッタ・シミオナートである。
イタリア歌劇団のプリマドンナとして初来日した1956年、彼女を聴いた文豪谷崎潤一郎は「あれが人間の声か!」と感嘆したという。著者がテレビを通じてそのシミオナートの声に初めて接したのはそれから3年後、まだ小学生のとき。
歌声に魅せられファンレターを出した著者と歌姫との間に長い文通が続き、著者がローマに留学したときから、シミオナートは著者の「イタリアのマンマ」となり生活の細部にいたるまで面倒を見るに至る。それから30年、90を越えて今も矍鑠たるシミオナートは、歌の指導やオペラ界の行事に活躍する。また強い意志と鋭い知性を兼ね備えた彼女は20世紀イタリア文化の生き証人でもある。

この「生きた文化財」を「保存」しようと彼女からさまざまな証言を引き出した、ノンフィクション作品。


『カルメンの白いスカーフ』へのリンク

『イタリア覗きめがね』について

出版社: 日本放送出版協会
武谷 なおみ (著)

(内容)
イタリア・オペラのプリマドンナ、ジュリエッタ・シミオナートの【声】に惹かれ、イタリア文学を志した著者は、その歴史の深みと人々の生命力あふれる生活へと誘われた。古代ギリシア・ローマの壮麗な文明と、第二次大戦下の過酷な痕跡を刻むイタリアという国。
シチリアの戦後文学の空間は、地中海に浮かぶ島の風土と濃密な家族の絆を歴史の襞に忍ばせている。
壊滅的な被害を受けた阪神大震災後の神戸とイタリアを往還しながら、日本から見たイタリアと、イタリアから見た日本を描き出した作品。


『イタリア覗きめがね』へのリンク